電気の点検と保守

電気の点検と保守 ―健康診断―

万が一の事故を防ぐために、建物の心臓部(受変電設備)の定期点検を行っています。

停電させないための健康診断

1.受変電設備の定期点検

2.竣工検査、細密診断

3.太陽光発電システムの健康診断

4.延命清掃

1.
受変電設備の定期点検

年1回、建物の電気を完全停止させて点検を行います。

高圧変圧器や遮断装置、受変電設備を守る保護装置など細部に渡り定期的に点検及び試験を行っています。

診断箇所

現在特別高圧設備(66000V,22000V)二回線受電設備、ループ変電設備、 スポットネットワーク設備、普通高圧受変電設備、低圧負荷設備、 自家用発電設備(高圧・低圧)、蓄電池受電設備、CVCF設備

受変電設備とは?

ビルや工場の電気は、電力会社から高い電圧で送られているため、この電圧を低くする設備が必要です。

この設備は受変電設備といい、ビルの心臓部に当たる重要な設備になります。

2.
竣工検査、細密診断

建物や電気設備は、複数の精密機器から構成されているため、設備の完成時には竣工検査が行われます。

竣工後は設備延命および機器の正常化を目的とした細密診断が行われます。

診断項目

竣工検査

高圧キュービクル設備設置に伴う竣工検査(耐圧試験・測定) 竣工時構造検査(部品損傷検査、制御表示検査、主回路検査)

細密診断

絶縁油油中分析、VCB等細密試験、その他性能検査

竣工検査とは?

受変電設備が完成し、施主様への引渡し前に、 電気工作物が図面や法令どおりに工事され、 必要な能力を有しているかどうかを試験するのが竣工検査です。

細密診断とは?

年1回の定期点検の他に、各機器の細部に渡り、 機器の持つ性能状況を維持する為に行う診断です。 人でいうと人間ドックにあたります。

3.
太陽光発電システムの診断

屋外に設置される太陽光発電の設備は、風雨にさらされるため、温度や湿度、粉塵に弱く、 発電能力の低下や遮断装置の動作等のトラブルが発生することがあります。

常に機器を正常に維持させ100%の能力を発揮させるために、定期的な保守が必要です。

診断項目

太陽電池本体および配線保守、架台固定状況、接続箱、集合箱、日射計、気温計、データ収集装置、パワーコンディショナー、接地抵抗測定、 絶縁状態測定、電池測定、発電電力量測定、開放電圧測定、外観機能保守、 系統連携保護装置性能試験

メガソーラーの仕組み
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4.
延命清掃

電気は吸湿と粉塵を嫌います。

ただキレイにするだけでなく、機器の本来持つ性能(絶縁能力=耐電圧)を高めるために、 より細部に渡る清掃を行い、トラッキング現象(※下記参照)を防ぎます。

診断項目

高圧キュービクル設備、オープン変電設備、低圧分電盤、
制御監視盤、電気炉電解設備、
機器の絶縁復元部分清掃、低圧盤活線清掃、変電機器の細部清掃

延命清掃の必要性 【トラッキング現象】

コンセントとプラグとのすきまにホコリがたまり、このホコリが湿気を呼ぶことによって、プラグ両極間で、火花放電が繰り返されます。

絶縁状態が低下すると、プラグ両極間に電気が流れ、発熱、発火する現象を、「トラッキング現象」といいます。

高電圧である変電設備は特にその現象が発生しやすく、短絡や地絡事故につながります。